いろいろな症状の中で、吐きけや嘔吐は非常に特異な、それだけにまた重要な症状です。
特異な第一の点は、質においても重さにおいても全く違う病気に、この症状が共通にあらわれる場合があるということです。たとえば二日酔いとつわり、食中毒と急性虫垂炎、乗物酔いと脳腫瘍…これらはすべて、吐きけや嘔吐を起こしますが、一見してわかるように、それぞれはたいへん異質な上記です。
特異な点の第二は、なにか他におもな病状があるとき、吐きけや嘔吐もあるかどうかで、ある病気についての考え方が変わってくる場合があることです。たとえば、右の下腹部が痛むとします。熱も吐きけもなければ、比較的単純な腸の病気と考えてよい場合が多いでしょう。
ところが、もしかりに熱や吐きけがあれば、虫垂炎などが問題になります。つまり、手術を考えなければならないかもしれません。あるいはまた、めまいがするとします。めまいだけならば非常に漠然として、それだけでは考えをすすめることができません。
しかし、めまいとともに吐き気や嘔吐があれば、内耳の平衡器官、またはそれと関連する神経や脳の領域まで広げて原因を考えなければなりません。
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