急に意識を失ったとき

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急に意識を失ったとき
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● 気道の確保。安静と保温  ● 水や薬を飲ませると危険  ● 呼ぶな、ゆさぶるな
 いままでに元気そうに働いていた人が、急に倒れて意識を失ったら、びっくりするなというほうが無理かもしれません。しかし、外傷による大出血と違って、急に意識を失っても、ふつうは寸刻を争う処置をしなくてはならないものではありません。むしろ事態を冷静に判断するために、まず自分が深呼吸でもして、こころを落ち着けることが大切です。

★ 意識を失う病気
 
 意識を失って倒れる、その外観は同じでも、原因の病気にはいくつかの種類があります。病気によって応急手当も違ってきます。まず、どんな病気を考えなければならないのか、その種類を知っておくことが大切です。
 
 ● 脳卒中
 最近、脳卒中による卒倒や昏睡が目立つようになってきました。脳卒中のときは、からだの片側が麻痺することが多いのですが、卒倒し、意識を失った当座は、しばしば両側の手足が動かないものです。あるいは、手足は両側ともに全く麻痺していないで、意識だけが失われているときもあります。
 
 ● 心臓病
 心臓のポンプとしての働きがうまくいかないため脳に血液がじゅうぶんに回らなくなり、卒倒や昏睡が起こることになります。脳への血の巡りの障害が軽度のときは、めまい、吐きけ、耳鳴りなど起こしますが、それが高度になると、意識を失ったり、さらにけいれんをおこしたりします。
 
 ● 糖尿病
 糖尿病による昏睡も増えてきました。糖尿病患者の場合は周囲もそれを承知していますし、はく息やからだ全体に甘酸っぱいにおいがありますので、他の病気と間違うことはありません。
 しかし、一方では、糖尿病の人たちは、脳卒中や心臓病や腎臓病になりやすいので、それらの病気が原因で卒倒や昏睡を起こすことがありますから注意が必要です。
 
 ● 低血糖
 糖尿病性昏睡では、血液中の糖などが多いことに問題があるのですが、反対に血糖が少なくても卒倒や昏睡を起こします。糖尿病の飲み薬を飲みすぎたり、インシュリンを多く注射しすぎたりすると、この低血糖発作が起こって大騒ぎをすることがあります。また、糖尿病の薬を使用する以外でも、低血糖を起こし、卒倒や昏睡を起こすこともあります。
 
 ● 尿毒症性昏睡
 腎臓が悪くなると、からだの中の老廃物が排出されにくくなり、その結果、脳の代謝が悪くなって、卒倒や昏睡を起こします。この場合も、糖尿病性昏睡と同様、腎臓が悪いことがあらかじめわかっていますので、他の病気による卒倒や昏睡と間違うことは少ないでしょう。
 急性あるいは慢性糸球体腎炎のときには尿毒症とは別のしくみによって卒倒や昏睡が起こる場合がありますが、これは脳卒中の別の一つの型です。このように、腎臓が悪くなると脳卒中が起こることがあり、また、二次的に心臓が悪くなって、そのために卒倒や昏睡が起こることもあります。
 
 ● 肝性昏睡
 肝臓病が進んだり、あるいは重くなると、卒倒や昏睡を起こすことがあります。急性肝炎のはげしいものでは、ときどきみられます。
 
 ● ショック・脳貧血
 種々の原因によって、心臓が悪くもないのに、からだの血の巡りが急にうまくいかなくなって、卒倒や昏睡を起こすことがあります。
 たとえば大出血のために、心臓に帰るべき血液がひどく減少したり、あるいはなくなって、結局は心臓の血液がからになり、血液が脳にも送り出されなくなって、卒倒や昏睡が起こります。
 また、内臓の毛細管や小血管が急に拡張して、そこに血液がたまったままになると、大出血と同じことになります。自動車に突き当たられ、急激な刺激のためにびっくりして、一時的に卒倒や昏睡におちいることがありますが、これは自律神経系に障害が生じて、一時的に心臓が止まったり血圧が急激に下降したりするためです。アナフィラキシン・ショックといって、ある種の薬を少量飲んだり、ある種の食物を少量食べただけで、ショックが起こることがあります。膀胱にたくさんたまった尿をいちどきに放尿すると、卒倒や昏睡を起こすことがあります。
 
 ● てんかん発作
 熱があって、子どもがひきつけたときや、ヒステリーなどとは区別すべきです。

 ● ヒステリー
 卒倒や昏睡におちいったようにように見えますが、ヒステリー患者の場合、実は自分でそのように見せかけているのであって、あとで本人に聞きただしてみると、そのときのことを全部知っているものです。
 
 ● 日射病・熱中症
 太陽にかんかんに照らされたり、温度と湿度の高いボイラー室などに長時間にわたって勤務したりすると卒倒や昏睡を起こすことがあります。
 
 
意識を失う病気
・ 脳卒中 ・ 心臓病 ・ 糖尿病 ・ 低血糖 ・ 尿毒症性昏睡 
・ 肝性昏睡 ・ ショック・脳貧血 ・ てんかん発作 ・ ヒステリー
・ 日射病・熱中症
 
基本的な心得
・ 気道の確保 ・ 安静と保温 ・ 水分は危険
・ 意識の回復 ・ 心臓マッサージ
 
病気別の応急手当
・ てんかん発作のとき ・ 糖尿病のとき ・ 有毒ガスを吸ったとき
・ 日射病・熱中症のとき ・ 原因がわからないとき
 
 
 病気を発見したりなおしたりするのはお医者さんですが、医師のいる病院へ行くかどうかを判断するのは自分自身。また、乳幼児がいる場合は親の責任です。それらを正しく判断できるようにするために、症状についての知識を持っておくことが必要となります。「症状でわかる病気」では身近に起こる症状を紹介しています。参考にしていただければ幸いです。
 
 
傷を受けた
大けがをした
出血、血を吐いた、下血した
止血法
急に意識を失った
けいれん・震え
はげしい頭痛
はげしい胸痛
呼吸が苦しい、
せきがはげしい
はげしい嘔吐、腹痛、下痢
目をけがした
骨折、脱臼、ねんざ
からだの各部を打った
やけどをした

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