生理的な汗には二種類の出方があります。その一つは暑い時にかく汗で、もう一つは緊張したり興奮したりしたときに出る汗です。
汗の本来の役割は、皮膚を潤すことと、蒸発熱を放散して体温を調節することです。汗が体温の調節に役立つ働きはきわめて重要です。体温が常に一定に保たれているのは、からだの中で作られる熱とからだから出て行く熱とがうまくつりあっているからです。からだの中で熱を作るのは、おもに肝臓と筋肉です。
からだから熱を放出する方法はいろいろあります。そのうち、一番おもなのは皮膚からの放散です。皮膚と外気との温度差によって、熱が外気へと輻射や伝導で出て行きます。また皮膚や気道から絶えず水分が蒸発し、蒸発熱を放散します。それは汗と違って、自分自身自覚しませんが、知らないうちに皮膚や気道から蒸発する水分は、1日に0.8〜1.2リットルにもおよびます。これでかなりの熱が出て行きますが、体内での熱の出方が多いときや、外気温が高くて皮膚との温度差が少ないときは、これだけではじゅうぶんな熱を放散しきれません。そのようなときに出るのが汗です。汗の蒸発によって、一挙にたくさんの熱を放出します。汗が多く出るところは、顔、首、胸、背中、前腕、手の甲などです。
汗の出方は、季節やそのときの状況によって非常に違います。夏場は座って仕事をしている人で、1日約1.5〜2リットル、はげしい運動をする人では、1日4〜10リットルも汗が出ます。
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